江戸食(粗食)が生活習慣病の予防に有効
今、若い女性の間で「マクロビオティック」という
ダイエット食事法がひそかに注目を集めています。
歴史的に見ると、明治初期に欧米で活躍した食養指導家の桜沢如一氏が
江戸末期の食事法(玄米菜食)を体系化して
「玄米正食」という名で提唱・普及を図ったものが原流で、
アメリカでは1977年に『食事目標』の基礎に採用されました。
内容的には玄米・雑穀を主食とし、野菜・海藻・豆類を摂る食事法で、
極端な場合は肉類を一切口にしないことから「菜食主義」とも称されます。
基本の考え方は、
①その土地で、その季節に採れた食材を使う、
②無農薬栽培の食材を丸ごと使う、
③蒸す・煮るだけの簡単な調理が基本で、
④よく噛んで食べる習慣を身につけることが重要です。
また⑤毎日続けるために美味しいことも必須条件となっています。
わが国の食養生法は、正徳3年(1713)に貝原益軒が著した『養生訓』で集大成され、
また華岡青洲が全身麻酔で乳がんの手術に成功したのは
西洋医学の麻酔薬が見出される100年も前のことです。
小浜藩の藩医であった杉田玄白や中川淳庵が活躍した江戸末期頃に培われた食事法を
今一度見直し、生活習慣病の予防・改善に役立ててはいかがでしょう。
玄米・雑穀ご飯と旬の野菜・海藻類を中心にした食事で、
十分に唾液が出るまで一口で30回以上よく噛むと、
自ずと小食を守れて免疫機能を高めることができますよ。
小浜病院薬草園管理アドバイザー 渡辺 斉