春の小浜線
電車なのにガタンゴトンと昔ながらの音をたてて走る小浜線。
沿線の風景は世につれて少しずつ変わってきたが、
幹線道路を車で走るのとは異なり、
まだまだ季節の風景が楽しめる。
春はまず梅の花。ああ咲いたと、
心が明るんで、
通り過ぎる時、
振り向きながら愛でる花。
しばらく経つと、梅はもう散り、
今度はほんのりピンクの花、
杏だろう。
小鳥がいっせいにはばたくように辛夷が咲いて・・・・・・。
子供たちの遠足の列が通る頃には、
まっ白な梨の花に会えるだろう。
梅 杏 辛夷 木蓮 桜 梨 小浜線沿い木の花が過ぐ
( 歌集 『海虹』より)
りとむ短歌会所属 北野よしえ
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