旧町名は語る(一)
表記の題名で平成十年頃、福井新聞文化欄に連載される企画があった。
敦賀編武生編等の一つの小浜編を
当時語り部の活動をされていた伊藤一樹さんが担当されていたが、
体調不良で私に交代を求められ引き継いだ。
小浜編(七)までが伊藤さんで、以後(十四)までを私が担当した。
明治初年の小浜(旧小浜)は五十二町(東組十八町、中組十七町、西組十七町)に
分けられ、それぞれの町名を持っていた。
明治六年新町設置の改変が行われ、近世以来の町は解体、
旧小浜五十二町は二十四町となり、
町名は全国著名の神社名が冠せられ現在に続いている。
この旧五十二町について郷土研究家・故柴田伊左衛門さんが
「小浜五十二町ひろい歩き」という冊子を残されており、
貴重な文献である。「旧町名は語る」はこの柴田文がなければ書けなかった。
ふと、その中の八幡小路が思い出され、
この小文をそれで始めてみたい気がし、以下に続ける。
西宮前町三十五戸、中小路三十二戸、八幡小路二十七戸の
九十四戸が明治七年男山町となり、同二十二年大字となる。
八幡神社があり、男山八幡に倣った区名といわれている。
句誌「ほととぎす」同人 森田 昇
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