若狭の湖で越冬する水鳥たち
若狭湾に面したリアス式海岸の内陸部に三方五湖があります。
この五つの湖は塩分濃度や深さにそれぞれ特徴があってその環境は変化に富み、
多様な生物を育んでいます。
この三方五湖は2005年にラムサール条約に登録されました。
この条約は「特に水鳥の生息地として重要な湿地に関する条約」として
1971年にイランのラムサールという町で開かれた国際会議で採択された条約です。
このことからもわかるように、
三方五湖は全国的にも有数の水鳥の飛来地として知られており、
冬期には多数のカモ類が飛来してきます。
その種数はカモ類だけでも十種類以上になり、
絶滅危惧種のオジロワシも飛来して来ることから
全国の愛鳥家達からも注目されています。
この五湖の中で一番内陸に位置する三方湖畔の『道の駅三方五湖』隣に
福井県里山里海湖研究所の観察棟があります。ここでは高倍率の望遠鏡を常備し、
多くの水鳥達を間近に観察することが出来ます。
特にカモ類の雄はこの時期に一年のうちで最も色鮮やかな羽色になり、
その多彩な色合いを楽しむことが出来ます。
厳しい冬の自然界でたくましく生きる鳥たちの生き生きとした姿を
高性能望遠鏡で観察していると、
日々の喧噪からしばし解放されるような気持ちを味わうことができます。
福井県里山里海湖研究所 里山里海湖相談員 高橋繁応
観察棟外観
観察の様子
マガモの雌雄
ヨシガモ