弁財天と己亥
今年の干支は己亥(つちのとい)。
豊饒と繁栄をもたらし縁起がよいとされる一方で、
不安定な年まわりから、慎重な行動が求められています。
この絵は、小浜と深いかかわりのある奈良東大寺・上野道善老師の
「清閑」(俗事を離れて清くもの静かなこと)の賛に、七福神の中の紅一点で
妖艶な弁財天が、琵琶を奏でて猪の気持を落ち着かせ、
目的に向かって進むようにと説得している姿が
長谷川等伯の末裔・仲春洋画伯によって描かれています。
弁財天は、無尽の智恵、財宝、延命を与えさらに邪気など
人を惑わすものを取り除くといわれています。
平成の次の新しい時代の幕開けを迎えるに当たって、
その描かれた絵の意味を深くかみしめ、これからの教訓としたいものです。
若狭の語り部 網本 恒治郎
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