一言神社
参道石段を二度上った野木ヶ岳中腹に、一言主大神の聖域は禁足地として石で囲われ、
巨石ではないが奥に巌石を置いて弊が立てられている。一段下った石垣に河原神社と三宅神社が
分祀されているが、河原神社もこの一言主と同神を祭神として上野木にある。神域右手の渓流は、
上に砂防ダムを築く急流で、出水で社地を崩落させた過去のある感じである。宮ノ下川とよばれている。
野木ヶ岳は中世祈雨の霊山として信仰された多田ヶ岳と並ぶ神山であったが、既に霊山信仰と
神山禁忌の古伝を失って久しい神山です、と宮川史は書く。山麓に弥和神社、八幡神社(大戸)日枝神社(竹長)、泉岡一言神社(中野木)河原神社(上野木)三宅神社(下野木)日枝神社、丹生神社
(太良庄)等多くの社で囲まれ、数多くの古墳群の散在する神体山で、山頂に木製玉垣をめぐらす
磐座が鎮まっている。一言神社の奥院は、この山頂磐座である。
境内入り口駐車場の桜は蘂となりはて、宮ノ下川畔の八重桜が今盛りであった。
句誌「ほととぎす」同人 森田 昇
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