高速道路をまたいで伸びる北陸新幹線の高架橋(敦賀市樫曲)
意気の若越
昭和二十九年五月に発表された「意気の若越」は、
県民に親しみやすい愛唱歌
(作詞勝承夫、作曲團伊玖磨、歌唱渡辺はま子)です。
平成・令和生まれが四分の一を占める今日、
その存在はほとんど知られることがなく、
「若越」という言葉もあまり耳目に止まらなくなってきました。
この歌詞に、
♪意気をみせましょおらが若越福井県♪という一節があります。
現在の福井県は、明治十四年二月七日に
若狭と越前を併せて誕生しましたが、
気候風土や地理的状況から両者の融合には時間が掛かりました。
この歌の制定のねらいは、県民の気持を鼓舞し、
若狭・越前が心を一つにして意気の国をめざすものでした。
北陸新幹線が三年後には敦賀まで開業します。
金沢開業で石川、富山が全国の注目を集めましたが、
今度は福井の番です。
県では「百年に一度の好機」と捉え、
敦賀を嶺南への玄関口と位置付け、
若狭湾エリアへ誘客をはかるため、
地域特性を活かしたまちづくりを核に、
全国的に影が薄いと言われる福井
イメージアップに取り組んでいます。
新たな時代の幕開けを迎え、
先逹が歌に託した心に思いを寄せ、
今を生きる私達も智恵と工夫でこのビッグチャンスを、
手もとに引き寄せたいものです。
若狭の語り部 網本 恒治郎