未来に伝えたい鳥浜貝塚と水月湖年縞
若狭町鳥浜に所在する縄文時代の遺跡、鳥浜貝塚は、
一九六二~一九八六年にかけて発掘調査が行われました。
「縄文のタイムカプセル」と呼ばれ、
小学校六年生の社会科教科書に掲載されました。
この遺跡調査をきっかけにして、一九九一年にもう一つ、
新しい発見がありました。三方五湖最大の湖、
水月湖の湖底に眠る「年縞(ねんこう)」です。
年縞は七万年に及ぶ「地質学的年代の世界標準」と呼ばれ、
こちらは中学校二年生の国語科教科書に掲載されています。
若狭にとって、いや世界にとって重要な発掘・発見から
既に四半世紀以上の歳月が流れていますが、
両者が貴重な歴史・自然遺産であることには変わりません。
これらを未来に継承するため、若狭三方縄文博物館の隣に、
福井県年縞博物館が二〇一八年秋にオープンします。
両館による研究と展示を通じて、両者の普遍的な価値を、
年縞の縞模様のように積み重ねていきたいものです。
若狭三方縄文博物館
学芸員 小島秀彰